大学3回生の春休みに、高校時代の友人1人と一緒にトルコのツアー旅行に参加しました。海外で広い世界をみたい、ということと、世界史が専攻だったために歴史の地へいってみたいと思ったのがきっかけです。トルコのイスタンブールが最終目的地でしたが、カッパドキアなど日本では見ることが出来ない景色をみるというのも楽しみにしていました。女子2人でしたので、親からツアーで行くことと条件をつけられたために阪急トラピックスで申し込みました。
トルコの東から西へとバスで長距離移動するツアーでしたので、たくさんの遺跡や観光地を見てまわりました。カッパドキアでは空にむかってにょきにょきとのびる岩に目を見張りましたし、迫害を受けていた人たちがキリスト教徒たちが逃げ込んで生活していたカイマルク地下都市は迷子になるほどで、肌に感じるほどに歴史が迫ってくるのを感じました。
また、パムッカレでは青い水を滔々とたたえた白い段々畑のような光景が見られて、心の底から感動したのを覚えています。最後にいった首都イスタンブールではすでに感覚が麻痺した感じで、ブルーモスクに入ってもただ口をあけてぼーっと上を見ているだけでした。
食事はフランス料理のようなものが多く、食べやすかったです。味は濃い目でしたので多少うんざりすることもありましたが、米もありますしパンがフランスパンのようなものだったので、日本食が恋しくて泣くということはありません。ただ長距離バスでの移動でしたので、バスの中が退屈でした。ずっと平坦な荒れた土地に、たまに出てくる小さな村々は絵本のようで可愛かったです。
トルコでは日本女性はもてる、と聞いたことがあったのですが、あれは本当でした。それまでカナダや台湾、イギリスなど様々な国へ行きましたが、トルコが一番モテました。田舎ではそういうこともなく、ただ親切な人が多いなあという印象だったのが、イスタンブールに入ったとたんアチコチからかかる「お嬢さーん、デートしよう~!」の声と腕を引っ張る手にビックリです。ブルーモスク前では日頃からそうやって頑張っているのか、男性が何人もいてニコニコしながらナンパしてきました。日本でモテるという経験をしたことがなかった私は、嬉しいやら恥ずかしいやらで、友達と引きつった笑いを返すのが精一杯でした。
もう一つ楽しかったのは、是非いきたいと熱望していたトロイの木馬です。実物を見た瞬間は「えっ!?」と驚きで絶叫してしまったくらいでした。当然あるのは本物ではなくレプリカなのですが、その作りがお粗末で愕然としたのです。まるで巨大な子供のおもちゃでした。世界3大ガッカリに入っている観光施設であることは知っていましたが、写真はそれなりだったので本当にガッカリしました。それでも、後になったら何度でも笑える、いい思い出になっています。
怖かったことはやはり言葉が全く通じないが故の恐怖でしょうか。イスタンブールで自由行動があったのですが、私と友人は折角初めての自由行動だからと自分達だけで街をウロウロしてみよう、と決めたのです。しかし英語は簡単なものなら喋れましたがトルコ語は全く無理、友人は日本語のみという状態だったので、街に出てすぐに出会った数々の客引きやナンパ、小銭を恵めと寄って来る子供達に困り果てました。
店では英語は通じるので買い物などは出来ますが、街に出て二人になるとすぐにトルコ語でわーわー言いながら人々が詰め寄ってくるのです。特に子供はしつこく、カバンを勝手に触られるわ服を引っ張られるわで恐怖を感じ、逃げ出すことに必死でした。ですが嬉しかったこともありました。アンカラの町に立ち寄ったとき、地元の学生さんらしき女の子2人に話しかけられたのです。彼女達は自分が学んでいる英語がどこまで通用するかを試したかったらしく、観光客を物色していて、私はたまたまちょっと団体から離れて見学していた上に女性なので選ばれたようです。彼女達とお互いにつたない英語で会話をし、写真ととって住所を交換しました。嬉しい出会いです。帰宅してからホリデー日帰り旅行に当選していたので友人と参加したのですが、日本はやっぱり平和でバスの中でもぐっすり眠れるし道はきれいだし食べ物もおいしくて!何より言葉が通じる便利さを大いに感じました。