大学時代、サークルの先輩後輩男女6人でイタリア、フランス10日間のツアーに参加しました。旅行の目的は先輩との思いで作りです。サークルの先輩ととても仲が良かったので、先輩の卒業旅行としてみんなで行くことになりました。時期は卒業目前の1月、日本も寒かったですがヨーロッパは更に寒くコートが手放せませんでした。私はフランスには旅行したことがありましたがイタリアは行ったことがありませんでした。そして何より卒業する先輩の意見を尊重して行き先を決めました。
10日間バスで全ての目的地に連れていってもらえるツアーでした。フランスではエッフェル塔や凱旋門、ルーブル美術館を訪れました。シャンゼリゼ通りでは自由時間があったため、ルイヴィトン本店に立ち寄ったりマカロン発祥のカフェで休憩したりと、パリッ子気取りで楽しみました。また、オプショナルツアーとしてベルサイユ宮殿を訪れ、あまりの絢爛豪華さに、あの有名な「パンがないならケーキを食べれば」の言葉の意味を存分に味わいました。
イタリアでは、スペイン広場、真実の口、ヴェネチア、ベローナ、ミラノを訪れました。出発前にロミオとジュリエットの映画を見ていたので、その舞台であるベローナを訪れた時はとても興奮しました。「おぉロミオ」の有名なシーンが撮られたジュリエットの家とロミオが登った木がありましたが、実際に見てみるとかなり離れており、人に気づかれず話をすることも難しいんじゃないかと思う距離でした。
イタリアのホテルに泊まった時のことです。部屋に通されたあと急に寒くなり私たちは毛布を追加でもらうことにしました。当時はまだ携帯電話がインターネットに繋がっていなかたまだたため、ポケット辞書のイタリア語で「毛布を1枚下さい」を調べて、フロントのスタッフに伝えました。イタリア語で「ウン コペロータ」と伝えたのですが全く伝わらず私たちは何度も繰り返すうちに「ウンコ、ペロッタ」になっていました。結局伝わることはなくイタリアでは寒い夜を過ごしました。
そして翌日から、その言葉が私たちの間で大流行しました。その日はヴェネチアを訪れたのですが、まさかヴェネチアは、それのお祭り状態だったのです。名物ゴンドラに乗っていると波に揺られながら私たちのゴンドラを追い抜いたり、サンマルコ広場の角には必ず現れて、仮面やヴェネチアングラスの土産物店の前にもしっかり。まさかこんなにペロッているとは思いませんでした。私たちはそれを見つける度に「ペロッタ」を連呼し、偶然にも都合のよい言葉があったものだと思いました。ここまでペロッタ祭りだと逆に楽しくなってしまって、今では楽しかった思い出です。
イタリアでの出来事です。旅も終盤に差し掛かり毎日のピザやパスタに飽きてしまったため、私たちのツアーガイドだった女性から美味しい中華料理のお店を教えてもらいました。
ホテル到着後夕飯を食べにその店を訪れた私たちは、チャーハンを3人前、エビチリを3人前、ラーメンを3人前頼みました。男子が3人いたためこれくらいシェアして食べれらるだろうと思ったのですがこれが大誤算でした。運ばれてきた料理はどれも大皿山盛りで、それでも何とかみんなで食べきりました。しかし頼んでもいないのにチャーハンがまた山盛り運ばれてきたのです。
店員さんは中国語しかできないようで断ることもできず、私たちは四苦八苦しながらまた食べきりました。しかし、また山盛りのチャーハンが運ばれてきたのです。これにはみんな参ってしまい、持てる力を振り絞って何とか食べきり、次が運ばれてこないうちにお会計を済ませました。
翌日ツアーガイドの女性に昨日の出来事を伝えると、中国では残さず食べることは量が足りないことを意味するので、店側はおかわりを持ってくるのだそう。私たちは一口残さなければいけなかったのでした。人生であんなにチャーハンを食べたのは初めてです。